米国の一地方都市で特許事務所を経営する米国パテントエージェント兼日本弁理士が日々の業務で体験した事、感じた事を綴っています。

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Affidavit or Declaration under 37 C.F.R. § 1.132

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米国特許出願の中間処理において、クレームの特許性を審査官に認めさせる一つの方策として、37 C.F.R. § 1.132に基づく宣誓書(affidavit)又は宣言書(declaration)の提出という手段がある。

これは、例えば「先行文献の開示技術に対するクレーム発明の自明性(U.S.C. §103に基づく拒絶理由)」を主張する審査官に対し、発明の技術分野における専門家としての意見の陳述書に当たる。
に基づく宣誓書(宣言書)を提出する37 C.F.R. § 1.132のは、発明者自身であってもよいし、出願とは無関係の専門家であってもよい。

また、宣誓書(宣言書)は、陳述者の知識や経験に基づく意見を述べるものであってもよいし、当該発明の効果を示す実験データ等を含めることもできる。
37 C.F.R. § 1.132の宣誓書(宣言書)について、MPEP §716.01(a)は、以下のように説明している。

“Affidavits or declarations, when timely presented, containing evidence of criticality or unexpected results, commercial success, long-felt but unsolved needs, failure of others, skepticism of experts, etc., must be considered by the examiner in determining the issue of obviousness of claims for patentability under 35 U.S.C. 103.”

「適時に提出された宣誓書又は宣言書が、当該発明を、顕著で且つ予想不能な結果によるもの、商業的な成功を生んだもの、長きに亘りその解決を望まれていた課題に関するもの、他者による(試みが)失敗に終わっているもの、専門家が懐疑的と考えていたもの(当該発明が、その存在等について、それまで専門家から信憑性がなく懐疑的であると考えられていたものであるという意味)等である事を証明するものである場合、審査官は、当該発明の自明性(U.S.C. §103)を判断するにあたり、宣誓書又は宣言書の内容を考慮しなければならない。」という事である。

また、興味深いことに、MPEP§716.01(c)には、以下のような判例の引用がある。

“Although factual evidence is preferable to opinion testimony, such testimony is entitled to consideration and some weight so long as the opinion is not on the ultimate legal conclusion at issue. While an opinion as to a legal conclusion is not entitled to any weight, the underlying basis for the opinion may be persuasive. In re Chilowsky, 306 F.2d 908, 134 USPQ 515 (CCPA 1962)” (MPEP§716.01(c)III)

「事実上の証拠の方が意見的な証言よりも好ましくはあるが、その意見的な証言が問題の最終的な法的結論にかかるものでない限り、かかる証言は検討され、かつ、幾分かは重要なものになる。法的結論に対する意見は重視されることはないが、その意見の下地となっている根拠は説得力を持ち得る。」のだそうだ。

さらに、以下のような説明もある。

“An affidavit of an applicant as to the advantages of his or her claimed invention, while less persuasive than that of a disinterested person, cannot be disregarded for this reason alone. Ex parte Keyes, 214 USPQ 579 (Bd. App. 1982); In re McKenna, 203 F.2d 717, 97 USPQ 348 (CCPA 1953).” (MPEP§716.01(c)III)

「自己がクレームした発明の効果等に対する出願人(発明者)による宣誓書は、利害のない者による宣誓供述書よりも説得力が弱い場合でも、それだけを理由に(説得力が弱いという理由だけで)無視できるものではない。」

平たく言うと、このような宣誓書(宣言書)が提出されると、審査官はこれを軽んじる事はできないし、特にそれが発明者本人による者である場合は、ちょっとくらい説得力が弱いと審査官が感じたとしても、説得力に欠けるから受け入れられないなどと言って、簡単に片付ける事はできないという事なのだ。

一般的に、このような宣誓書(宣言書)は、とりわけ化学、生物学、材料関連の発明の特許性を主張するにあたり、かなりの威力を発揮する事が多いように思う。

電気、電子、機械等の分野の発明の場合、先行技術との差異は、構造的な特徴や技術的な効果の明確な差として議論することが可能である。これに対し、私の主観にすぎないかもしれないが、化学、生物学、材料関連の発明の場合、その分野における研究開発の流れの中では、実は相当にすばらしい成果であるにも関わらず、当該発明と先行技術との差異が、構造的な特徴として極めて微視的なものであったり、技術的な効果としては極めて小さな数値でしか表せなかったりする事が結構多い。。。ような気がする。その為であろうか、発明の優位性を、審査官がなかなか理解して(感じ取って)くれない、という状況に陥る傾向が強いという印象を受けるのだ。

このような状況の打開策として、37 C.F.R. § 1.132に基づく宣誓書(宣言書)は、一考に値する思う。このような宣誓書(宣言書)は、当該発明について先行技術に対する非自明性が認められないと主張する審査官に対し、ある意味、再考を促す強制力を持つのだ。


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プロフィール

中西康一郎 (Koichiro Nakanishi)

Author:中西康一郎 (Koichiro Nakanishi)
日本の特許事務所、企業知財部勤務の経験を経た後に渡米し、米国の特許法律事務所に8年勤務後、米国テキサス州ヒューストンにおいて、日本企業の米国特許出願代理を専門とする代理人事務所(Nakanishi IP Associates, LLC)を開設しました。2016年5月、事務所を米国カリフォルニア州サクラメントに移転しました。

現在、Nakanishi IP Assocites, LLC 代表

資格:
日本弁理士
米国パテントエージェント

事務所名:Nakanishi IP Associates, LLC
所在地:
6929 Sunrise Blvd. Suite 102D
Citrus Heights, California 95610, USA

Website:
Nakanishi IP Associates, LLC

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