米国の一地方都市で特許事務所を経営する米国パテントエージェント兼日本弁理士が日々の業務で体験した事、感じた事を綴っています。

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Alice事件後の101条要件について -審査と判例の動向-

Alice Corp. v. CLS Bank事件後、同事件や先のMayo Collaborative Svcs. v. Prometheus Labs.事件の最高裁判決を受けたCAFCの判決をまとめた情報や、現行の審査の運用/指針等が、USPTOのウェブサイト上において公表、逐次更新されている。

http://www.uspto.gov/patent/laws-and-regulations/examination-policy/2014-interim-guidance-subject-matter-eligibility-0

最新情報は、昨年(2015年)の11月に公表された下記の指針及び判決情報である。

http://www.uspto.gov/sites/default/files/documents/ieg-july-2015-app3.pdf

以下、2014年後半及び2015年のCAFC判決においてクレーム発明が101条要件を満たさないと判断されたもののうち、Alice事件やMayo事件の最高裁判決以前なら、違う結論になったであろうという印象の強い判例を挙げた(上記USPTOの公表資料からの抜粋です。全くの個人的な意見ですので、予めご了承ください。)。

Morales v. Square, Inc., No. 2015-1319, __ Fed. Appx. __ (Fed. Cir. Oct. 16, 2015)
問題になった特許: U.S. Patent No.5,872,589
Interactive TV system for mass media distribution
- Method

Hemopet v. Hill’s Pet Nutrition, Inc., No. 2015-1218, __ Fed. Appx. __ (Fed. Cir. Sep. 21, 2015).
問題になった特許:
U.S. Patent Nos.
8,234,099
8,224,587
8,060,354
7,865,343
Determining a nutritional diet product for a canine or feline animal
- Methods, systems, and computer readable media

In re Karpf, No. 2014-1773, __ Fed. Appx. __ (Fed. Cir. Aug. 7, 2015).
問題になった特許: U.S. Patent Application No. 11/645,067
Increasing patient compliance with medical care instructions
- Computer readable media

Versata Development Group, Inc. v. SAP America, Inc., No. 2014-1194, - F.3d (Fed. Cir. July 9, 2015).
問題になった特許: U.S. Patent No.6,553,350
Pricing products in multi-level product and organizational groups
- Methods, system, and computer readable media

Internet Patents Corp. v. Active Network, Inc., 790 F.3d 1343 (Fed. Cir. 2015).
問題になった特許: U.S. Patent No.7,707,505
Dynamic tabs for a graphical user interface
- Methods, systems, computer readable media

Ariosa Diagnostics, Inc. v. Sequenom, Inc., 788 F.3d 1371 (Fed. Cir. 2015).
問題になった特許: U.S. Patent No.6,258,540
Non-invasive prenatal diagnosis
- Methods

Fuzzysharp Technologies Inc. v. Intel Corporation, 595 Fed. Appx. 996 (Fed. Cir. 2015).
問題になった特許: U.S. Patent No.6,618,047
Visibility Calculations for 3D Computer Graphics
- Method

Content Extraction and Transmission LLC v. Wells Fargo Bank, N.A., 776 F.3d 1343 (Fed. Cir. 2014).
問題になった特許:
U.S. Patent Nos.
5,768,416
5,258,855
5,369,508
5,625,465
Scanning and Information Processing Methodology
- Methods and machines (interface/system)

各判例の詳細については、後日、機会があればコメントしたいと思います。

以下、個人的な感想です。

現在の裁判所及び特許庁の考え方としては、ソフトウエアやビジネスモデル関連発明の101条要件を判断する上で、処理するデータ、活用するデータ、データを得る為に 利用する情報や演算の特性、有用性は、全く考慮に入れれもらえないように思う。個人的には非常に残念な傾向だと思う。

例えば、データの処理について、それがどれだけ有用な情報を予測するものであっても、どれだけ特殊な情報を活用するものであっても、どれだけ高度 な演算も用いるものであっても、そのような事は、少なくとも101条要件を判断する上では、考慮の対象外という事になる。この事は、中間処理の現場でもヒシヒシと感じる。

情報や信号処理の発明について101条要件が認められたケースは、主に、アウトプットとしての信号や情報に、技術的な特異性がみられる場合に限られているようだ。例えば、(1)ウイルスを含むデータを入力して、ウイルスが駆除されたデータがアウトプットとして出てくる場合、(2)信号が特定のノイズが除か れたものや、特殊な波形に変換された信号をアウトプットとして出てくる事により、アウトプット信号が、ハードウエアである画像の画質改善に直接寄 与する場合、等である。

本ブログをご閲覧いただいている皆様、旧年中はお世話になり誠にありがとうございました。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

Nakanishi IP Associates, LLC
代表 日本弁理士/米国パテントエージェント
中西康一郎

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プロフィール

中西康一郎 (Koichiro Nakanishi)

Author:中西康一郎 (Koichiro Nakanishi)
日本の特許事務所、企業知財部勤務の経験を経た後に渡米し、米国の特許法律事務所に8年勤務後、米国テキサス州ヒューストンにおいて、日本企業の米国特許出願代理を専門とする代理人事務所(Nakanishi IP Associates, LLC)を開設しました。2016年5月、事務所を米国カリフォルニア州サクラメントに移転しました。

現在、Nakanishi IP Assocites, LLC 代表

資格:
日本弁理士
米国パテントエージェント

事務所名:Nakanishi IP Associates, LLC
所在地:
6929 Sunrise Blvd. Suite 102D
Citrus Heights, California 95610, USA

Website:
Nakanishi IP Associates, LLC

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