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米国カリフォルニア州で特許事務所を経営する米国パテントエージェント兼日本弁理士が、日々の業務で体験した事、感じた事を綴っています。

Alice v. CLS Bank事件 (2014年最高裁判決) 後のUSPTOの動向

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表題の通り、Alice v. CLS Bank事件 (2014年最高裁判決) を踏まえたUSPTOの動向として、米国特許法上の保護対象としての発明の適格性(特許法101条要件)について、2014年12月16日、特許の適格性判断に関する中間とりまとめ(2014 Interim Guidance on Patent Subject Matter Eligibility)が発行されたことは、先日、報告させていただいた通りである。

2014 Interim Guidance on Patent Subject Matter Eligibility (Interim Eligibility Guidance)

この中間とりまとめによれば、クレーム発明が101条要件を充足するか否かの判断にあたり、その骨子として、下記のように二段階のステップを踏むことについては、先の予備審査指針(Preliminary Examination Instructions:2014年6月25日発行)に示された判断基準と変わりはない。

(尚、二段階の判断を行うに際しては、クレームに記載された発明が、少なくとも形式的には101条に規定された4つのカテゴリー(Process(方法・工程), Machine(装置), Manufacture(製造物・製造品), Composition(組成物))のうち何れかに該当する事が大前提になるので、その点についてもご注意を。)

第1段階において、(少なくとも形式上は4つのカテゴリーの何れかに属している)クレームの主題が、非法定の(i)自然法則、(ii)自然現象、(iii)抽象概念の何れかに該当するか否かを判断し、何れににも該当しなければ特許の適格性有りと判断する。その一方、何れかに該当すれば、第2段階に進む。

予備審査指針(Preliminary Examination Instructions)においては、第2段階で、101条要件を充足する為の要件として、3つの要件(何れかを満たせば101条要件を満たすと判断されるもの)が例示された。

今回発行された中間とりまとめでは、第二段階に例示された要件が下記の6つになっているところが、先の予備審査審査とはだいぶ異なる。

1. Improvements to another technology or technical field (他の技術又は技術分野における改善)

2. Improvements to the functioning of the computer itself (コンピュータ自体の機能に対する改善)

3. Applying the judicial exception with, or by use of, a particular machine (特特定の機械を伴うか、又は、特定の機械を使用した「自然法則」、「自然現象」又は「抽象概念」の適用)

4. Effecting a transformation or reduction of a particular article to a different state or thing (異なる状態又は物への変換又は変形を達成すること)

5. Adding a specific limitation other than what is well-understood, routine and conventional in the field, or adding unconventional steps that confine the claim to a particular useful application (発明の分野において、従来よく知られた慣習的なもの以上に何か特殊な限定の付加)

6. Other meaningful limitations beyond generally linking the use of the judicial exception to a particular technological environment (その他、「自然法則」、「自然現象」又は「抽象概念」を利用し、単に特定の技術分野に結び付けるという事以上に意義のある限定)

つまり、少なくともUSPTOによる特許出願の審査段階では、対象クレームが、非法定の(i)自然法則、(ii)自然現象、(iii)抽象概念の何れかに該当すると判断された場合でも、上記6つの要件の何れかを満たせば、特許の適格性を有するものと認められる(101条要件を満たす)という事になる。

以上

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プロフィール

中西康一郎 (Koichiro Nakanishi)

Author:中西康一郎 (Koichiro Nakanishi)
日本の特許事務所、企業知財部勤務の経験を経た後に渡米し、米国の特許法律事務所に8年勤務後、米国テキサス州ヒューストンにおいて、日本企業の米国特許出願代理を専門とする代理人事務所(Nakanishi IP Associates, LLC)を開設しました。2016年5月、事務所を米国カリフォルニア州サクラメントに移転しました。

現在、Nakanishi IP Assocites, LLC 代表

資格:
日本弁理士
米国パテントエージェント

事務所名:Nakanishi IP Associates, LLC
所在地:
6929 Sunrise Blvd. Suite 102D
Citrus Heights, California 95610, USA

Website:
Nakanishi IP Associates, LLC

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