新事務所“Nakanishi IP Associates, LLC”開設のお知らせ(完全日本語対応によるきめ細やかなサービスで米国における強い特許の取得をお手伝い致します。)a href="http://www.cafc.uscourts.gov/images/stories/opinions-orders/11-1073.pdf" target="_blank" title="IN RE BAXTER INTERNATIONAL, INC.事件(Fed. Cir. 2012)">IN RE BAXTER INTERNATIONAL, INC.事件(Fed. Cir. 2012)
本事件は、再審査(Reexamination)の審決に対する裁判所への不服申立て、日本で言えば、無効審判の審決に対する高裁への不服申立てに相当する事件である。特許の有効性に関する裁判所(司法)の判断と、特許商標庁(USPTO)の判断に関する。
ちなみに、この種の問題については日本ではキルビー事件の最高裁判決がよく知られている。
キルビー事件の判決では、日本では、「基本的に、裁判所と特許庁(無効審判における審判官の合議体)とは、各々が独立して特許が無効か否かを判断する権限を有する」という事が明確にされた。
また、各々の権限に基づく特許の有効性の判断が対世的な効力を有するか否かについては、日本では、以下のような考え方が基調となっている。
先ず、特許査定、拒絶査定、特許無効の審決等、特許の有効性についての判断は、(発明の技術分野等のついて)高度の専門知識を有する事から、本来、専門官庁たる特許庁に任される行政処分であり、その判断は、当然対世的な効力を有する。
一方、特許侵害訴訟において裁判所が下す特許の有効性についての判断は、「訴訟経済に資し、特許の対世的な無効までも求める意思のない当事者について迅速に紛争の一回的解決をもたらすことを目的としたものであり、無効審判が請求されずに紛争解決がなされる場合にはむしろ権利者の対応負担を減ずる効果を有する。」という、キルビー判決の趣旨からも明らかなように、対世効を有するものではない。(特許侵害訴訟において裁判所が行う特許の有効性の判断というのは、あくまでも権利濫用の有無を確認する為の判断であり、それ以上でも以下でもないと言える。)
つまり、特許の有効性についての判断は、「行政処分として、あくまでも専門官庁たる特許庁が行うのが筋であるが(もちろん、特許庁の判断について法律上の瑕疵が認められる場合、当事者は審決取消し訴訟を通じて裁判所の判断を仰ぐことはできるが)、訴訟経済等の事情に照らし、特定の事件については、場合によって裁判所が直接判断することも認められる。」というのが日本における特許の有効性判断に関する特許庁と裁判所との機能分担の考え方だ。
一方、米国ではどうなのか。
(次回に続く)
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