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米国カリフォルニア州で特許事務所を経営する米国パテントエージェント兼日本弁理士が、日々の業務で体験した事、感じた事を綴っています。

他社特許の公報に見逃せない誤記を見つけた場合

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以下のような状況を想定していただきたい。

某企業の知財部員が、競合他社のちょっと気になる米国特許公報を読んでいたところ、クレームの記載に明らかな誤記を発見したとする。出願経過や明細書の他の箇所の記載内容から、どうも米国特許庁(USPTO)が公報を発行する際に起きた単なる印刷ミスのようだ。明らかな誤記なのでほっとても良いのだが、その誤記を含んだままの状態でクレームを素直に読むと、発明の保護範囲がとんでもなく広いものになってしまう為、このままにはしておけない。

ここで、USPTOの手続き等のミスによって特許公報の内容に誤りが含まれる場合、特許権者がそのミスに気づけば、修正証明の発行願(Request to issue a Certificate of Correction)を提出する事により、USPTOが修正証明(Certificate of Correction)を発行してくれる。

ところが、修正証明の発行願(Request to issue a Certificate of Correction)を正規に提出できるのは、発明者、特許権者、又はその代理人に限られ、第三者にはそのような手続きを行う権限がない。

この場合、どうしたら良いのだろうか?

答えは、「USPTOに手紙を書いてお願いする」である。

USPTOのミスに起因する特許公報の内容の誤りが修正される場合と言うのは、(1)発明者又は特許権者からその旨の情報提示又は修正証明の発行願の提出があった場合、(2)USPTOが自分で気づいた場合、又は(3)第三者からそのようなミスについての情報提示があった場合と、特許法施行規則(37CFR1.322)や審査便覧(MPEP1480)にもちゃんと書いてある。

豆知識という言うほどでもないですが、ご参考までに。


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プロフィール

中西康一郎 (Koichiro Nakanishi)

Author:中西康一郎 (Koichiro Nakanishi)
日本の特許事務所、企業知財部勤務の経験を経た後に渡米し、米国の特許法律事務所に8年勤務後、米国テキサス州ヒューストンにおいて、日本企業の米国特許出願代理を専門とする代理人事務所(Nakanishi IP Associates, LLC)を開設しました。2016年5月、事務所を米国カリフォルニア州サクラメントに移転しました。

現在、Nakanishi IP Assocites, LLC 代表

資格:
日本弁理士
米国パテントエージェント

事務所名:Nakanishi IP Associates, LLC
所在地:
6929 Sunrise Blvd. Suite 102D
Citrus Heights, California 95610, USA

Website:
Nakanishi IP Associates, LLC

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